引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






ななっぺが他の勉強会の友達と違うところは、こういうところだと思う。





普通だったら、手取り足とり問題の解き方を教えないといけなくて結構大変なんだけど、ななっぺの場合はまず「ヒント教えて」って言ってくる。





ちゃんと自分の頭に解き方を残そうとしてくれてるから、一番教えがいがあるんだよね。






「ななっぺ、よくあんなヒントだけでココまで解けるね〜」



「あかねちゃんは静かにしててよ。集中できない〜」



「でも今のところ合ってるよ。もうちょっとだから頑張って!」



「あっ、分かった!ここであの公式使って計算すれば…、答えが出るね!!」



「そうそう。すごいよ、ななっぺ」






確かに私が解いた時よりも時間はかなり経ったけど、ななっぺは何とか自力で問題を解くことができた。





私の解答と合わせても…、うん、答えは合ってそう。






「たぶんこれで大丈夫だと思うよ。この問題解けたなら、この単元はだいぶ楽なんじゃないかな?」



「ありがとう、柚!ホントに困ってたから助かったよ」



「私も数学当たったら柚に頼もーかなー」



「あかねちゃん…、一応自力でも考えてね……」






ななっぺにものすごく感謝されながら校門の所で別れて、私はあかねちゃんと二人で帰ることにした。