「まさか、あかねちゃんがあそこまで不器用だとは思わなかったよ。は〜、疲れた」
「え〜?私からすれば、あゆがお菓子作れる方が意外だしー」
「部活の差し入れなんかで作ったりするんだよ。それにうち弟がいるから、おやつ作れってリクエストされることもあるし」
「でも柚はさすがって感じだねぇ。キレーにクッキーがデコられてるー」
「ありがとう、あかねちゃん」
「うん、見事にあかねちゃんのミスをフォローしてるよね」
「ちょっと一言多い〜、あゆ」
お昼の12時を回る頃、ようやくお菓子と簡単な昼食が完成して、私達はそれを持って2階の拓の部屋へ。
部屋に入ると、拓が「待ってました」という笑顔を浮かべていた。
「お昼はサンドイッチねー。お菓子はななっぺ達が来てから食べるから、手ぇ出さないように!」
「え〜!?多田、ケチらずに食べさせろよ。こーゆーのは作りたてが一番ウマイだろ?」
「文句言うなら、サンドイッチも没収するけど」
「げっ!マジこえー」
あゆに軽く睨まれた拓は、私の隣に大人しく腰を下ろして「いただきます」と手を合わせた。
倉本くんはというと、拓とあゆがそういうやり取りをしている間にすでにサンドイッチに手を伸ばしていた。
「倉本、味はどう?」
「……まあまあなんじゃない?」
「それ、あかねちゃんが作ったヤツだけど」
「あ…そう」
あゆにそう言われた倉本くんは、チラッとあかねちゃんを見た。
あかねちゃん…、珍しく緊張してるように見えるのは、私だけかな?
私も少しだけ緊張が走るよ。

