「結構柚も言うようになったよなー。俺も油断できないな」
「いつまでも言われっぱなしじゃ嫌だもん」
「その調子なら、大丈夫そうだな。笑えるぐらい復活したみたいだし」
「あ、そうだね。さっき私、笑ってた…」
「気付いてなかったのかよ?心配してちょっと損したかも」
「ううん、本当にありがとう。拓のおかげで元気出たから」
面接の内容なんてほとんどしゃべってないのに、拓とこうやって話してるだけでいつもの私に戻れた気がする。
ホントに拓の力ってすごい。
「…離さないからな」
「うん」
そう言った拓の手に、少し力が入るのを感じる。
来週はH高の一般入試と、週末には今日の試験の結果が出る。
来週が終わったら…、全てが決まるかもしれない。
その時、私は拓と笑っていられてるかな?
そうであってほしい…と、私も拓とつながれた手に思いを込めた。
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