「俺、別に変なコト何も言ってないのにな〜」
「ひどいよ、拓!」
「ぷぷぷ。面白れ〜」
「…もう手つながない」
「ええっ!?ごめん、もー言わないから!」
いつも私ばっかりからかわれるんだもん。
たまには私がこんなこと言ってもいいよね。
でも拓にはそんな私の言葉が意外だったのか、立場が逆転してしまった。
拓が慌てる姿もかなり珍しいかも。。。
「ウソだよ。拓が意地悪言うから」
「え?許してくれるのか?」
「だって…、拓の手は私を温めてくれるんだよね?」
「ああ、いつでもあっためる!柚のためなら何でもするし!」
拓、すごい必死だ…。
まさかここまで下手に出てくるとは思わなかったよ。
そんな拓の態度につい「ははは」と笑っちゃったら、拓は強引に私の手を掴んだ。

