引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






拓は倉本くんの言葉を理解してるのかよく分からないけど、あーさんはすごく感心していた。





私も…言われてみれば、そうだよね。





私の他にも、困る質問をされた人がたくさんいるかもしれない。





だから、こんなことで落ち込んでいる場合じゃないのかも…!






「じゃー俺、塾に行くから。あとは拓にでもなぐさめてもらえば?」



「あっ、ありがとう…倉本くん」



「受験お疲れー」






倉本くんはカバンを持って私達に背を向けた。





そして、振り向くことなく右手を上げながら教室を出て行った。







「…あっ。私も今日はカテキョが入ってるんだった!すっかり忘れてたよー。帰る準備しなきゃ」



「じゃあ柚、久々に学校から一緒に帰ってみるか?」



「え?…拓、いいの?」



「もう部活も引退したし。やっと時間の余裕できたかも」






拓に家まで送ってもらうことは結構あったけど、学校から二人で帰るのってかなり久しぶりかもしれない。





拓が部活に入ってからはなかったと思うし。





…なんか、嬉しいかも。









あーさんと校門で別れて、私は拓と並んでいつもの帰り道を歩き出した。





そして、すぐに拓の家の前に到着。