引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






「みんなの言う通りだよ。面接で上手く行かなくて。予想してなかった質問されちゃって…」



「俺の時は『超』が付くぐらいヨユーだったけどなぁ。このまま面接のセンセーと仲良くなるかと思ったし」



「みんな瀬川くんみたいにフレンドリーには話せないよ。私もやっぱり緊張するもん。柚の気持ち、分かるよ」



「でも…、答えに詰まって下向いちゃったし…。練習通りにできなかったよ」



「詰まった?結局何も返せなかったのか?」



「え?ううん。時間はかかったけど、何とか…」






そこまで言うと、黙って話を聞いていた倉本くんが、腕を組みながら深くため息をついた。






「それ…、落ち込むことか?」



「え?」






いっ…、いきなり何言ってるの、倉本くん?






「面接官がわざと受験生困らせる質問してその反応見るのは、かなりフツーにあると思うけど。マニュアル通りの受け答えしてる受験生ばかり見てても、ソイツらの本質なんて見えないだろ?」



「はぁ〜。さすがマサだな。よく分かんねえけど」



「それにそのまま黙り込んで終わったなら印象悪かったかもしれないけど、一応質問に答えたなら問題無いだろ。別に推薦入試は作文と面接だけで決まるわけじゃない。事前に成績とか内申も提出してるわけだし、総合して合格か不合格か出すと思うけど」



「確かに…。倉本くんの言う通りなんじゃない!?」