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理科の授業が終わり、教室での帰りのHRも終了。
それと同時にクラスメイト達は席を立ち、それぞれの家へと帰っていく。
だけど…
私は見事に拓とあーさんに足止めを食らっていた。
そこには何故か倉本くんまで。
「柚…、A高の面接失敗したのか?」
「様子がおかしすぎるよね。隠してても結構バレてるよ」
「え、ちょっと…みんな???」
別に隠すつもりなんてなかったけど、なんでこんなことになっちゃってるの???
「えっと…、ごめん。クラスのみんなが不安がったらいけないから、あんまり試験のことは言わないでって村尾先生から言われてただけだから。隠してはないよ」
「じゃあ…、今なら言ってくれる?もううちらしか残ってないし」
「あ、うん…」
この時期の受験生は忙しい。
いつの間にか教室には私達4人しか残っていなかった。
日直の人も、とっくにいなくなっちゃってるし。
「…つーかマサ、塾は大丈夫なのかよ?別に俺らと一緒に残ることねーだろ?」
「30分ぐらいなら大丈夫だけど。…俺、今日の実験杉田と同じ班だったんだけど、明らかに様子変だったし、何かしでかしたんだろうなと薄々思ってたから」
倉本くんにまでバレてる…というか、心配されてる……。
こんな正直な性格なのも、何だか悲しい。。。

