「先生、書けました」
「あっ、ありがとう。杉田さん6時間目には出るんでしょ?」
「はい、そのつもりです」
「次、うちのクラスは…、理科か。確か今日は実験室のハズだから、急いだ方がいいかも」
「そうなんですか?分かりました」
「杉田さん、あくまでもみんなの前では普通にやっててね。杉田さんの落ち込む姿を見ることで不安になる生徒もいるから…」
「あ、はい…」
そんなこと言われても…。
確かに私立の試験は来週に集中してたし、まだ受験してない人達がいっぱいいるのは分かるんだけど…
頭で分かってても、心の落ち込みは止められるわけないよ。。。
でも一応村尾先生に返事をして、私は職員室を出た。
カバンの中にはちゃんと6時間目の理科の準備がしてある。
だから私はその足で理科の実験室に向かった。
「…あっ、柚。受験終わったんだ?お疲れー」
「あーさん…」
実験室に入ると、まずは入口に近い席で授業の準備をしていたあーさんに声をかけられた。
ああ…、あーさんのいつもの笑顔につい安心してしまう。
ついさっきの面接で落ち込んだこととか口にしそうになる。
「…どうしたの?もしかして…、失敗した?」
「えっ!?いや、そんなんじゃ……」
「おっ、柚じゃん!お帰り〜。面接ヨユーだったろ?」
「あ、え……?拓?」
そこに、私の姿を見つけた拓が声をかけてくれた。
全然余裕じゃなかったよ。。。
拓は余裕だったかもしれないけど…。
「あれ?柚ちょっと顔青くね?」
「だよねぇ、瀬川くん。だから試験上手くいかなかったのかと思ってさ」
やっ、ヤバイ…!
あーさんも拓も、私のこと心配そうな顔で見てきてる。

