引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






「先生、書けました」



「あっ、ありがとう。杉田さん6時間目には出るんでしょ?」



「はい、そのつもりです」



「次、うちのクラスは…、理科か。確か今日は実験室のハズだから、急いだ方がいいかも」



「そうなんですか?分かりました」



「杉田さん、あくまでもみんなの前では普通にやっててね。杉田さんの落ち込む姿を見ることで不安になる生徒もいるから…」



「あ、はい…」






そんなこと言われても…。





確かに私立の試験は来週に集中してたし、まだ受験してない人達がいっぱいいるのは分かるんだけど…





頭で分かってても、心の落ち込みは止められるわけないよ。。。






でも一応村尾先生に返事をして、私は職員室を出た。





カバンの中にはちゃんと6時間目の理科の準備がしてある。





だから私はその足で理科の実験室に向かった。






「…あっ、柚。受験終わったんだ?お疲れー」



「あーさん…」






実験室に入ると、まずは入口に近い席で授業の準備をしていたあーさんに声をかけられた。





ああ…、あーさんのいつもの笑顔につい安心してしまう。





ついさっきの面接で落ち込んだこととか口にしそうになる。






「…どうしたの?もしかして…、失敗した?」



「えっ!?いや、そんなんじゃ……」



「おっ、柚じゃん!お帰り〜。面接ヨユーだったろ?」



「あ、え……?拓?」






そこに、私の姿を見つけた拓が声をかけてくれた。





全然余裕じゃなかったよ。。。





拓は余裕だったかもしれないけど…。






「あれ?柚ちょっと顔青くね?」



「だよねぇ、瀬川くん。だから試験上手くいかなかったのかと思ってさ」






やっ、ヤバイ…!



あーさんも拓も、私のこと心配そうな顔で見てきてる。