引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






先生が立ち上がると同時に私に差し出してきた紙には、『受験内容のアンケート』と書いてあった。





ざっと読んでみる限り、来年以降に受験する後輩達のために面接で何を聞かれたかを調査するもののようだった。






なるほど…



このアンケートを参考にして、中学の先生達は私達に面接の練習とかしてくれているのか…。





先生から紙と一緒に渡されたシャーペンをカチカチとノックして、とりあえずクラスと名前を書く。





そして受験した高校は…A高校の推薦っと。






「はい、お茶。熱いから気を付けて飲んでね」



「ありがとうございます」



「杉田さんなら大丈夫だと思うけど…、一応県立の一般入試の勉強はしてるわよね?」



「あ、はい。過去問は5年分、5回くらいは繰り返し解いたんですけど…」



「そう…。別に『推薦が受からない』って言ってるわけじゃないからね。杉田さん、最近は面接の練習ばかりに気を取られてたみたいだったから…」



「私…、自信がないとそればっかり繰り返しやっちゃうので……」






ああ、村尾先生にすごく心配されてる…。





私が心で思うよりもずっと、見た目には落ち込んでいるように見えるのかもしれない。





…とりあえず面接官に聞かれたことを最初から思い出してみる。





緊張で細かい所までは覚えてないけど、大まかには思い出せる。





アンケートに答えて、面接の感想などを書いていると、5時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。