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試験が終わったという報告をするためと、6時間目の授業に出るために、私は中学校へと戻ってきた。
外はとても寒かったけど、職員室はほんのりストーブが効いていて温かい…。
だけど、とても身体を温める気分にはなれなかった。
「そっか…。練習通りにはいかなかったか。杉田さん面接の練習始めた時はどうなる事かと思ったけど、最近の練習ではハキハキ答えられてたから安心してたのになー」
「すみません…、先生にたくさん付き合ってもらったのに」
「杉田さんを希望の高校に合格させることが私の仕事だから、多少の残業くらいいーのよ。まぁまだ結果が出たわけじゃないから、そんなに落胆しないで」
たまたま5時間目の授業がなかった担任の村尾先生に面接で失敗してしまったことを報告すると、先生は私を励ますような優しい微笑みで肩をさすってくれた。
「たまにそういう風に意地悪なコト聞いてくる先生もいるのよ。推薦ともなると、みんな優秀だから落とす方も大変なの」
「落とす方……」
「うん。杉田さん達は受かりたくて必死だと思うけど、高校側は定員超えしそうなら嫌でも落とさないといけない。これが厳しい現実なのよね…」
村尾先生はそう言うと、空いている椅子を持ってきて私をそこに座らせてくれた。
「寒かったでしょ?職員室に置いてあるものだけど、お茶淹れてくるわね。それまでにコレ書いてもらっていいかな?」
「あ…はい」

