『笑顔でハキハキと』も心がけるつもりだったのに、うつむいてしまったからそれも全然無理だったし。
教室を出た後、私は大きくため息をついた。
そして、見慣れない階段を下りて校舎を出た。
こんな時にも、冷たい風は容赦なく私の顔に打ち付ける。
朝にくぐった正門まで戻ってきて、ふと校舎の方に振り返る。
…受からない気がする。
ハッキリ言って、自信なんて全然ない。
この学校に通いたい…
3年間をここで過ごしたい…
拓と…楽しい高校生活を送りたい…
願いはただ、それだけなのに。
何でこんなに遠いんだろう…?
結果はまだ出てないけど、私の目に自然と涙が浮かんできた。
…悔しいよ。
今ならもっとちゃんと受け答えできるかもしれないのに。
何であの時……、上手くできなかったんだろう?
時間を巻き戻したい。
だけど、そんなこと…できるわけもない。
私はこぼれ落ちそうな涙を手でぬぐいながら、中学校へと戻る道を歩き出した。
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