引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






「えっと…、とっ、友達とよく勉強会をして、色々教え合ったりしました。そのおかげで友達が増えてより親密になったと思います……」






こんな回答が正解なのかどうかは分からない。





でも、この場をやり過ごさないといけない。





苦し紛れに絞り出した答えを右端の人に向かって言うと、その人は少し微笑んだ気がした。






「ほう。友達と勉強会ですか。面白いですね。では自分が長所だと思うのはどんなところですか?」



「勉強会をしていたら、よく『教え方が上手いね』と言われます。そういうことで頼りにされるのがすごく嬉しいです」



「……分かりました。他の先生は…質問ありますか?」






右端の人が他の面接官にそう聞くと、みんな首を軽く横に振った。





すると、それを見ていた中央の人が口を開いた。






「ではこれで面接試験は終わりです。どうぞお帰り下さい。お疲れ様でした」



「はっ、はい!ありがとうございました」






実際の時間に直したら、大して長い時間ではなかったと思う。





だけど…、緊張していて更に答えに詰まったということもあって、この時間がとてもとても長い時間に感じた。






まるで拷問みたいだった…。