「勉強…ですか。具体的にどんな教科をどんな風に…とか説明してもらって構わないですか?」



「えっと…、主に5教科全般ですけど、宿題だけではなく自分で買ってきた問題集を解いたり……」






ああ…



こんなこと聞かれることまで練習してないし、当然予想もしてないから、ありきたりなことしか言えない。





こんなことじゃ、面接官に良い印象なんて…無理だよ。







するとそれまで質問してこなかった、右端の眼鏡をかけた中年の男の人が急に口を開いた。






「でも勉強はここに来ているみなさん努力してますよねぇ?自習する他にも塾に行ったり…、あなた以上に苦労している人もおそらくたくさんいるでしょう」



「え……」






そう言われたら…どう返せばいいんだろう?





こんな意地悪なこと言われるとは思わなかった。





どうしよう……、答えに詰まる。





『できるだけ無言は作らないように』なんて言われたけど、完全に守れてないよ…。








つい考え込んでしまってうつむくと、さっきの男の人からまた質問が飛んできた。






「杉田さん…、他に熱中していたこととかないですか?本当に勉強ばかりしていたとしても、そこから学び取ったこととかは?」



「あの……」