「…んだよ、拓?俺、忙しいんだけど」



「ケータイいじってるだけのクセに忙しーとかねえだろ!?なあ、修学旅行の自由行動って班ごとだっけ?」



「ああ…、形式上はそうなってるらしーけどな」



「形式上は???」






倉本くんの返答に、私まで頭の中が「?」になってしまった。





倉本くん…、相変わらず意味が分からないな…。






「杉田も分かってねえのかよ。フツー考えたら分かるだろ?先生も誰も見てねえんだから、律儀に班ごとに行動なんてやる馬鹿、ほとんどいねえんじゃね?」



「え…?じゃあ倉本くんは元々班で行動する気はなかったの?」



「当たり前だろ。前から馬場に誘われてたし…」



「マジか!?抜け駆けすんなよ、マサ!」



「別に…、お前らも一緒に行動すればいーだけの話だろ?抜け駆けって…、ガキか」



「あ、そっか。俺と柚が行動すればいーんだな?やった!京都でデートできる!!」



「今更気付いたのかよ…。でも自由行動の計画表は班ごとに提出しないといけないから、そこだけはメンドーだな」