二人でそんなことをしゃべりながら、拓はさり気なく私の左隣に腰を下ろして、私の左手に自分の手を重ねていた。
…今日も、拓の体温は温かい。
いつの間にか推薦入試は来月に迫っていた。
もちろん拓のスポーツ推薦の試験も同じ時期に行われる。
だから…、私は面接と作文の練習、拓はスポーツ推薦の体力テストのために部活でトレーニングと、最近は割と忙しい毎日を送っていた。
「今日がイブとか、時が経つのが早すぎるだろ」
「だよね。あっという間に推薦入試来ちゃうよ」
「イブは柚とのんびりデートしたかったのになぁ」
「あっ、あのさ……。私、プレゼント用意したんだよね」
「え!?マジで?」
なんか、こういうの切り出すのって、少し緊張するな…。
だけど、拓は嬉しそうに期待するような目で私を見てきた。
私は右手でバッグを探って、さっき見つめていた青いリボンでラッピングされた小さな包みを取り出した。
「これなんだけど…」
「スゲー!サンキュー、柚!!」
それを拓の前に差し出すと同時に、拓は目を輝かせながら受け取っていた。
無邪気に喜ぶ拓の顔を見て、私も自然と笑顔になった。
…時間もお金もかけられなかったけど、渡して良かったかもしれない。
「なあ、開けていい?」
「うん、いいよ」
「何だろ…?気になるな」
拓はさっそく青いリボンを解いて、包みの中の物を取り出した。
それは…

