引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






「お前ら大丈夫か?勉強進んでなさそーだけど」



「あ…、だっ、大丈夫だよね、ななっぺ?」



「まあ…ね。ちょっと先輩とケンカした話を柚に聞いてもらってただけだから」



「…マジで!?大人の渋すぎ落ち着きカップルでもケンカするコトあんだなー」



「てか瀬川、私と先輩のコトそんな風に見てたの?」






ななっぺは拓に向かって少し呆れた顔をしたけど、やっぱり笑顔を浮かべるまで元気にはなれないみたい。





私はそんなななっぺに気を遣って、拓に「それでさっき何て言いかけたの?」って聞こうと思ったんだけど、ななっぺはさっき私に見せていた模試の結果表を拓にも見せた。






「…あれ?細井、A高希望してたっけ?」



「今、すごく悩んでるところ。確かに大学行くならR高よりもA高の方が有利かもしれないし」



「コレとケンカと何の関係があるんだよ?」



「拓…。安森先輩、R高校に通ってるんだよ……」






私がそこまで言うと、拓は「あ〜」と納得したような顔になった。






「先輩、細井が自分よりレベル高い高校狙ってるから嫉妬してんだな!?」



「…瀬川に成績表見せた私が馬鹿だったのかな?」



「ななっぺ、落ち着いて!」






拓のとんちんかんな答えに、ななっぺがちょっと切れそうになってるんだけど…!





とにかく私はななっぺの沸き上がりつつある怒りを鎮めて、拓にななっぺ達のケンカの原因を説明した。





…ああ、なんか忙しい。。。