「お前ら大丈夫か?勉強進んでなさそーだけど」
「あ…、だっ、大丈夫だよね、ななっぺ?」
「まあ…ね。ちょっと先輩とケンカした話を柚に聞いてもらってただけだから」
「…マジで!?大人の渋すぎ落ち着きカップルでもケンカするコトあんだなー」
「てか瀬川、私と先輩のコトそんな風に見てたの?」
ななっぺは拓に向かって少し呆れた顔をしたけど、やっぱり笑顔を浮かべるまで元気にはなれないみたい。
私はそんなななっぺに気を遣って、拓に「それでさっき何て言いかけたの?」って聞こうと思ったんだけど、ななっぺはさっき私に見せていた模試の結果表を拓にも見せた。
「…あれ?細井、A高希望してたっけ?」
「今、すごく悩んでるところ。確かに大学行くならR高よりもA高の方が有利かもしれないし」
「コレとケンカと何の関係があるんだよ?」
「拓…。安森先輩、R高校に通ってるんだよ……」
私がそこまで言うと、拓は「あ〜」と納得したような顔になった。
「先輩、細井が自分よりレベル高い高校狙ってるから嫉妬してんだな!?」
「…瀬川に成績表見せた私が馬鹿だったのかな?」
「ななっぺ、落ち着いて!」
拓のとんちんかんな答えに、ななっぺがちょっと切れそうになってるんだけど…!
とにかく私はななっぺの沸き上がりつつある怒りを鎮めて、拓にななっぺ達のケンカの原因を説明した。
…ああ、なんか忙しい。。。

