「…びっくりしたよね。私ずっとR高校って言ってたし」
「うん。でも急に何で?」
「あ……うん…」
私がそう問うと、ななっぺは少し考えながら私が見ていた結果表を自分のバッグにしまい込んだ。
そして、私に曖昧な笑みを向けてきた。
「担任の先生から、少し高めのレベルも狙えるんじゃないのかって言われちゃって…。しかも、先輩からも似たようなこと言われて…ね」
「え?でも安森先輩と同じ高校通いたいからR高にしたんじゃ…?」
「まあ、そうなんだけど…」
ななっぺも悩んでいる途中なのかな…?
自分でも上手く考えがまとまっていないみたいで、すごく言葉を選んでいるのが、隣にいて分かる。
「私もまさか先輩からそんな風に言われるとは思わなくって。ショックで色々言い返したら、ケンカになっちゃった」
「え?ウソ……」
「どうしてこうなっちゃったんだろう?私も勉強の合間に考えるんだけど、分からないんだよね」
「ななっぺ…」
てっきり、ななっぺと安森先輩は上手く行ってるものだと思ってたけど、まさかケンカ中だったなんて。
学校はもちろん違うから会う機会もないだろうし、仲直り…難しいのかな?
「柚ー。俺、冷蔵庫に追加のジュース取りに行ってくる…って、何細井としんみりモードなんだよ?なんかあったのか???」
「え?拓?ごめん、何?」
拓からいきなり話し掛けられて、私は少し驚いた。
…というか、落ち込むななっぺを見た後にいつもの明るい感じの拓を見ると、まぶしすぎるんだけど…。

