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あれから3週間後。
さすがに11月下旬にもなると、昼間でも北風が冷たい。
期末テストは数日前に終わったけど、今日もまた勉強会のメンバーが拓の家に勢揃いしていた。
「やっと期末テストから解放されたと思ったら、また校内模試かぁ…。テスト多過ぎ」
「まあ…、うちら受験生だし、しょうがないよ…あゆ」
こうやってみんなで集まる機会が多くなるということは、受験のシーズンも少しずつ近付いているということ。
集まるみんなも、ワイワイやっていた雰囲気から真剣モードに変わりつつある。
…みんながそれに気付いているかまでは分からないけど。
映美佳にたしなめられたあゆは、大きく伸びをしてからS女子高校の入試の過去問集を開き始めた。
この前の期末テスト前の勉強会の時、あゆが嬉しそうな顔で「S女受けていいって!」と親に許可してもらったことを教えてくれた。
あゆが少し夢に近付けたみたいで、私も嬉しかった。
「…つーか、俺は何したらいーわけ?勉強っつったって、俺は推薦行き決定だし」
「瀬川はうちらの邪魔しなきゃ何しててもいーけど。…てか、瀬川も模試は受けるんでしょ?対策でも柚に教えてもらいなよ」
「マジテキトーだな、多田は。自分のコトしか見えてねえんだから」
「最近志望校決まったんだから、焦るに決まってるでしょー?」
あゆは拓に相変わらずな口をききながらも、過去問とにらめっこ中。
そして…

