「うん、倉本くんいたよ。一応聞いてみたけど、ヨリを戻す気はないみたい…」



「そっかぁ。アイツ完全にあかねちゃん切ったんだな…。やっぱり薄情なヤツ!…私帰るわ。みんなとは帰りが逆方向だし。じゃーねー」



「うん、またねー」






あゆ、やっぱりちょっと怒ってたなぁ。





まあ、怒りたい気持ちも分からなくはないんだけど。







その後何分か待っていると、ようやく映美佳とあかねちゃんが現れた。






「お待たせー、柚!遅くなったね」



「映美佳が先生に色々質問してるからじゃんー!初日なのに気合い入り過ぎ〜」



「あかねちゃん、ごめんってば。でも初日だからこそやる気が大事でしょ」



「まーいーや。帰ろー、柚。今日は喫茶店寄ってく?」



「え?喫茶店?」






今日の復習がしたかったんだけど…





とか思っていたら、それは映美佳も同じだったらしく…。






「あかねちゃん、受験生なのに呑気すぎるよ。私、家に帰って勉強する。夏休みの宿題もあるし。柚だってそうでしょ?」



「うん、そうだね。ごめんね、あかねちゃん…」



「そぉ〜?あんまり最初から根詰めてると、最後が大変だよ?」



「あかねちゃんは最後までこんな調子だろうけどね〜」



「えー!?映美佳ひどいよ。私だって頑張る気はあるんだからー」






こうしてどこにも寄ることなく、3人で他愛のない会話をしながら帰った。





やっぱりあかねちゃんはいつも通りの様子で、倉本くんのことについては一度も語らず。





きっと私と倉本くんが同じクラスだろうって分かってるハズなのに、それに関してすら全然私に聞いてこなかった。








夜、倉本くんと話したことやあかねちゃんの様子をななっぺにメールすると、こんな返事が返ってきた。