引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






自由行動は色々あって途中でホテルに帰っちゃったし、それからこっちに帰ってきてからの連休も、拓は陸上部の練習が忙しくて、ろくにデートもできなかった。





もちろん校内では誰が見てるか分からないし…。





そんなこんなで今日のこの瞬間になるまで、ずっと二人きりにはなれなかった。





…何か、この期間がすごく長かった気がする。





しばらく後ろから抱き締められたままの姿勢でいたけど、不意に拓が私の身体と向かい合わせになるように体勢を変えた。





拓の顔を見ると、ゆっくり微笑んでくれた。






「キス…させて?」






耳元で拓がそうささやいてきて、私は無言でうなずいた。





たぶん、私の顔…赤くなってるよ。。。





だって、この一言で体温が上がったのが分かっちゃったもん。






どんなにキスを重ねても慣れない、このドキドキ。





だけど…、慣れたくない。





拓にいつまでもドキドキしてたいと思っちゃうんだ。










何分経ったか分からないけれど、しばらく甘いキスを重ねた後、拓が口を開いた。






「俺、また柚にビンタされたくないから一応聞くんだけど…、これ以上って柚の準備がまだできてないよな…?」



「え?『これ以上』…って?」



「だから…その…、分かりやすく言うと、裸の付き合い?」



「…………えっ!?」