「まあな!話したくないのに無理矢理吐かせる必要ねーよ。それに今日は蘇我が初めて来てくれたんだから、みんないい気分で帰りたいだろ?」
「そうだね。じゃあそろそろ帰ろうか。ななっぺ用意できた?あーさんもY小だったら帰り道同じだよね?一緒に帰ろうよ」
「え…?私もいいの?」
「もちろん!ねっ、ななっぺ?」
「うん。私は部活週に2、3回しかないから、部活ない時は一緒に帰れるし、下校する時も誘ってよ。柚が私のケータイの連絡先知ってるから」
「ありがとう…。すごく嬉しい」
まだぎこちない感じだったけど、あーさんは嬉しそうにあゆとななっぺと帰って行った。
そして、映美佳とあかねちゃんも…。
「瀬川、柚のことよろしくね」
「ちゃーんと家まで送り届けるんだよ〜」
「うっせーな!分かってるからとっとと帰れよ。柚と早くしゃべりたいから」
「はいはい。じゃーねー、瀬川」
「柚も気を付けて帰ってね」
映美佳とあかねちゃんが部屋を出ていくと同時くらいに、急に拓に後ろから抱き締められた。
「拓…!?まだ片付け終わってないよ?」
「片付けは後からやればいーじゃん。今は柚に触れさせて?修学旅行の自由行動以来、全然二人になれなかったし」
「…うん」

