「あとはあかねちゃん達だけなんじゃない?何かサクサク勉強会進むのも気持ち悪いからさ、さっさと倉本と仲直りしなよ」
「あゆ…、何気に漫画読んでる倉本がいないのが物足りないと思ってたんだ……」
映美佳に突っ込まれたあゆは、「あははっ」と笑いながらあかねちゃんの方を見た。
確かに倉本くん、みんなで勉強に集中してる時も一人だけ拓の漫画読んでるもんな…。
そのくせ成績はこの中では私の次ぐらいにいいから、あゆにとっては更にムカつく対象にはなってたみたいなんだけど。
でも注目をされたあかねちゃんは、倉本くんの話題になるとやっぱり暗い顔。
「あかねちゃん…、ホントにケンカの原因話してくれないんだよね。自由行動から帰ってきてずっと泣いてたのに」
「わわっ、ななっぺ!言わなくていーよ、それは」
「でもあんなに泣くほどなんてさ…。何かヒドイこと言われたのかと思ってたんだけど。倉本、良く言えば冷静沈着だけど、悪く言っちゃえば突き放すところもあるし…」
「確かにね…。何か言われたなら私からガツンと言ってやるから、言っちゃいなよ!言った方がスッキリするって」
「いや、あゆ本気で殴り込みに行きそーだからいーや。まだ私も気持ち整理できてないトコもあるから…、話したくなったらってコトじゃ…ダメ?」
すると映美佳が「それでいいんじゃない?」と言ってきて、みんなも渋々うなずいた。

