引っ込み思案な恋心。-3rd~final~






「あとはあかねちゃん達だけなんじゃない?何かサクサク勉強会進むのも気持ち悪いからさ、さっさと倉本と仲直りしなよ」



「あゆ…、何気に漫画読んでる倉本がいないのが物足りないと思ってたんだ……」






映美佳に突っ込まれたあゆは、「あははっ」と笑いながらあかねちゃんの方を見た。





確かに倉本くん、みんなで勉強に集中してる時も一人だけ拓の漫画読んでるもんな…。





そのくせ成績はこの中では私の次ぐらいにいいから、あゆにとっては更にムカつく対象にはなってたみたいなんだけど。





でも注目をされたあかねちゃんは、倉本くんの話題になるとやっぱり暗い顔。






「あかねちゃん…、ホントにケンカの原因話してくれないんだよね。自由行動から帰ってきてずっと泣いてたのに」



「わわっ、ななっぺ!言わなくていーよ、それは」



「でもあんなに泣くほどなんてさ…。何かヒドイこと言われたのかと思ってたんだけど。倉本、良く言えば冷静沈着だけど、悪く言っちゃえば突き放すところもあるし…」



「確かにね…。何か言われたなら私からガツンと言ってやるから、言っちゃいなよ!言った方がスッキリするって」



「いや、あゆ本気で殴り込みに行きそーだからいーや。まだ私も気持ち整理できてないトコもあるから…、話したくなったらってコトじゃ…ダメ?」






すると映美佳が「それでいいんじゃない?」と言ってきて、みんなも渋々うなずいた。