「うん。うちのクラスの女子がウワサを流してくれたみたいで…。『あの子とあの子とあの子がいじめをしてるらしい』って感じで。そういうの伝わるの、速いから。確かにそんなウワサが流れ始めた頃に、チラチラ睨まれてた感じがなくなったんだよね」
「女子のウワサほど怖いものはないよね…。ウワサがエスカレートすると大ごとになるし、その人達もあーさんに手を出せないかもね」
映美佳がうなずきながらそう言うと、女子一同も「うんうん」とうなずいた。
「確かにそーゆートコって女子の怖いところだけどさ、油断はするなよ?何かあったら柚に言えば、俺が何とかすっから!」
「え?瀬川って柚以外にも女子を助けてくれるの?何か意外〜。それだったら私も頼もうかなー」
「多田は自分で何とかできるだろ!俺は1組の中の問題だったら何とかするって言ってるだけだけど」
「…だろうね。瀬川が柚以外の女子を積極的に助けるとは到底思えないし」
「分かってんならそーゆーコト言うなよ!!」
…確かに拓は、クラスのムードメーカーとして、1組が険悪になるのを防ぎたいだけなんだと思う。
例えそれが女子の問題だとしても、男子にも多少は伝染するだろうしね。

