涙で揺れる視界の向こうで、あきが私に微笑みかけていた。 ヒロじゃない。あき、私の最愛の人。 そのことに安堵しながら、私はあきに手を伸ばした。 「あき……」 大好きな人。一生、忘れられない人。 私のこの、あきへの思いは揺らぐことがないだろう。 それでも、ヒロの笑顔があきのものと重なって見えたことに、私の心はひどく動揺していた。