三毛猫レクイエム。



「あき……っ」

 日記を抱きしめて泣きじゃくる私を、ヒロがそっと抱きしめてくれた。私はヒロにしがみついて、延々と泣き続けた。



 心地よい浮遊感に、私は目を開ける。

「真子」
「あき?」

 眠ってしまっていた私は、あきに抱えあげられていた。

「あき、どうして?」
「うん?」

 あきは、私を下ろそうとせず、どこかへ向かって歩いている。

「ねえ、あき、どうしてここにいるの?」
「真子に、会いたくて」

 にっこりと私に笑いかけるあき。

「ほら、ヒロが待ってる」
「え?」

 あきに促されて、先を見ると、そこでヒロが待っていた。

「真子、愛してるよ」
「私も愛してる」

 私の言葉に、あきは微笑んだ。

「知ってる。でも、これからは前を向くんだぞ」
「前?」

 あきは私の涙に濡れた目じりをなぞった。

「この目は、未来を見つめるためのものだから。過去に囚われるな」

 その、懐かしい指が愛おしい。

「振り向くな。俺のために泣くな。俺は、真子の笑顔が好きなんだから」

 私の頭は始終ぼんやりとしていて、あきの言葉を素直に聞いているだけだった。
 そうしているうちに、私達はヒロの元についた。

「それじゃあ、真子のこと、頼んだから」
「ああ」
「あき?」

 あきが、ヒロの腕に私を渡す。私はいつのまにかヒロに抱えあげられていた。