「まさか……」
それは、私は初めてヨシに会った日に抱いた妄想。
あきが、姿を変えて会いに来てくれたんじゃないかと、ヨシを見た私はそう感じた。
「お兄ちゃんはもう、お兄ちゃんじゃなくなってるけど、この子の魂、お兄ちゃんのと同じ色してる」
「ヨ……シ……」
ヒロが呆然と呟く。泣きながらの笑顔で、ヒロを見た明菜ちゃんが続ける。
「ヒロ君、真子姉をよろしくって、お兄ちゃん、そう思ってる」
その場に泣き崩れた私を、ヒロが抱きしめてくれた。
「あき……っ」
みゃああっ
明菜ちゃんの腕から飛び出したヨシが、私に擦り寄る。
「あき……ぃ……」
ヒロに抱かれながら、私はヨシを抱いて泣き続けた。
ヒロに送られて、私はアパートについた。
「それじゃあ……」
「待って」
私は、帰ろうとしたヒロを引き止めた。
「この日記、ヒロに一緒に見てもらいたいの」
あきの言葉を、ヒロにも見てもらいたかった。私達が、前に進むために必要だと思ったから。
「入って」
「……わかった」
ヨシを抱きなおして、ヒロが部屋に入る。
リビングにおさまった私達は、ソファに並んで座って、日記を見た。
「番号、わかる?」
ヒロがそう尋ねるけど、私に心当たりはなかった。
「ううん、でも……片っ端から試してみる」
思いつく限りの4ケタの番号を試してみる。あきの誕生日、私の誕生日、私達が付き合い始めた日付、私達が出会った日付、だけど、鍵は開かなかった。
「いったい……何の番号だろう」
行き詰ってしまい、私はため息を付く。ヒロが私を見て、口を開いた。


