三毛猫レクイエム。


 あきは、これからたくさんのものを諦めなければいけないのかもしれない。もしかしたら、もう諦めているのかもしれない。
 髪も、歌も、考えたくもないけど、下手をしたら命までも。
 だけど、そうだとしても、あきに諦めてもらいたくないものがあった。

「あき……」
「うん?」

 私の中でずっとずっと堪えていたものが、爆発しそうだった。

「諦めないで、私達の未来を……」

 堪えていた涙が、堰を切ったように溢れだした。

「あき、どっかで諦めてる! 皆、適合しなかったけど、ドナーが現れるかもしれないでしょう? お医者さんも、薬を変えて経過を見てみるとも言っていたじゃない!」

 泣き叫ぶ私を、あきが驚いたように見つめている。

 どうしよう、止まらない。

「あきが諦めちゃったら、私はどうすればいいの? 私は諦めてないのに……っ」
「真子……」

 あきの目から、一筋の涙が零れ落ちた。それを見た瞬間、私はあきを抱きしめていた。

「あき、お願いだから。諦めないで……っ」

 明菜ちゃんがそう思っていたように、私だってあきを助けたかった。万が一の確率かもしれないけど、私の型があきのものと一致する軌跡を望んでいたんだ。

「真子……、ありがとう……」

 涙声のあきが、私を強く抱きしめ返した。