三毛猫レクイエム。


「どうしたの」
「ひっ……お、お兄ちゃんが、可哀想……っ」

 泣きながら、明菜ちゃんがそう言った。

「私、お兄ちゃんを、助けられると思ったのに……」
「明菜ちゃん……」
「私、妹なのに……っ・・なんで、私のじゃ、駄目なの……っ」

 私は、明菜ちゃんを抱きしめた。
 あきだけじゃない、明菜ちゃんだって型が一致することを、明菜ちゃんがあきを助けられるということを期待していたんだ。

 運命は、本当に残酷だ。
 あきが病気になって、いったい誰が得するというんだろう。
 あきも、私も、おばさんも、明菜ちゃんも、おじさんや明仁さんだって、皆苦しい思いを抱えている。
 それを、いったい誰が望んでいるというのだろう。


「真子姉……」
「うん?」

 しばらくして、泣き止んだ明菜ちゃんが顔を上げた。

「お兄ちゃんのところに、行ってあげて」
「……でも」

 明菜ちゃんは真っ赤になってしまった目をぬぐって、にっこり笑った。心がちくりと痛むような、痛々しい笑顔だった。

「私は大丈夫だから。お兄ちゃんのところに行ってあげて」
「わかったよ」

 そこで明菜ちゃんと別れて、私は病室に戻った。

「あき?」
「真子……」

 はっとして、あきが顔を上げた。あきの手元には、書きかけの歌詞があった。