《ボトルメッセージ》

世界中で太陽光発電だ風力だなどといったエコが当たり前になった時代の話。
あるとても小さな島国の少女が瓶に自分の名前と住んでいる所と境遇を書いた紙を入れて海に流した。少女はネットにでも書き込めばいくらでも友達の作れる社会だと言うのに、ロマンなんて妄想の役にしか立たないシュチュレーションの友達を求めてその瓶を流したのだった…その瓶は何の気まぐれか何かに引っかかる事もなく何万キロと離れた海岸に打ち上げられたら。
少女が返事を楽しみにしていたある日少女に来客があった。
相手はあの瓶を拾った青年だという。
『こんな奇跡ってあるのね!』
少女はとても嬉しくなった。扉の向こうにいた青年は確かに少女の書いた紙を持っていてそれなりにカッコの良い人物だった。青年はその紙と瓶を少女に見せた。少女は目を輝かせながら青年を見つめた。青年の連れてきていた通訳は『これは間違いなくあなたのものですか?』と訪ねた。少女は大きく頷いて『はい!間違いありません!!』と答えた。
青年は紙と瓶を通訳に渡すと少女の手を強く握った。

「16時48分!!容疑者確保!不法投棄罪で少女を連行ます!!」

今ではエコロジー、環境問題に国境も国土も情もない。