《絶対公約》

 日本の政治は裏切られて続けた。
 つまり誰がなっても変わらないんだ。ならば、もう誰がなってもいいじゃないか? 人間には無理なのだから。

 だから適当に票を入れた。なんか、どんな手をつかっても“絶対に公約を成功させる”と言っていた奴にさ。
 特に名前も覚えていないが……

 そいつは当選してその後、首相になった。
 数ヶ月経ってテレビを見てみると、そいつは自分の言った公約を本当に次々と実現していく。
 国民はみんな喜んだ。彼こそが日本を救うヒーローだと。
 しかし、それには大きな落とし穴があった。

 彼初めから言っていた『亜米利加基地問題』。
 彼はそれも解決したのだ。誰一人と望まない形で。
 でもその事によって、確かに彼は公約すべてを果たした。

 現在の日本の名前は――
 “亜米利加領日本”
 漢字なのがせめてもの日本人としての抵抗だ。でも、漢字なのだって……