…ここは…?

一体、ここは何処で、自分はどのような状況なのだろうか…?

随分長いこと眠っていたような気がする。
しかし、目を瞑ったのは一瞬だったような気もする。

とにかく、目を開けたそこは、一面に広がる真っ白な空間だったのだ。

暖かくもなく寒くもない。眩しくもなく暗くもない。
居心地が良いようで、とてつもなく落ち着かない…。
ここは…


「う…ん、ここは…?」

ふと後ろから声がした。
驚き振り返ってみれば、そこには二十歳そこそこの女性の姿。

その様子は自分と同様、現状を全く把握できていない風だった。

自分はこの空間に独りではなかったのだ。
落ち着いて見回してみれば、此処には自分を含め5人の姿を確認できた。

品の良い初老の男性。
サラリーマン風の若い男。
高校生くらいの少年。
先程声を発した女性。
そして自分。


性別も年齢もバラバラだが、各々の“理解不能”といった面持ちは共通のものだった。



誰ともなくお互いの距離を縮め始め、何から話はじめれば良いのかと思案しながら五人の小さな輪が出来かけた瞬間、

『目が、覚めましたか』