それから3時間。


「ぅわ………暑っ!!」


電車から家の最寄り駅へ降り立った瞬間、思わず呟いてしまった。

片桐家の森は日陰が多くて涼しかったけど、それが無くなったから―――


「み、水をくれぇ……」


突然の温度変化に耐えられず……

砂漠をさまよう旅人のような言葉を口走ってしまう。

切符を改札口に通しながらため息をついたところで………