『あたしの弱虫!! 今だ、今、踏みださなきゃ!! 神無ちゃんを助けるんだ!!』 強く自分に言い聞かせる。 震える体を無理矢理動かし、木の陰から出て行こうとして――… 『琥珀、』 背後から声をかけられた。 慌てて振り向いたあたしの視界に入ったのは、 『俺も一緒に行くよ』 「……兄さん!?」 穏やかに笑う樹兄さんだった。