『あたしの家の結界は、鬼は絶対に入ってこられない。

鬼が見えないうちに、早く――』

早く家へ入ろうと、

立ち上がったその瞬間。


ぞわっ、


と粘り着くような気配が、

あたしのごく近くにいることに、

今さら気がついた。