夜の一人が、こんなにも怖いって思わなかった。 もう、カラオケをフリータイムにするの辞めよう。 時間気にしないで歌うのも絶対に辞めよう……。 後悔を胸一杯に抱きながら、暗闇の中をまた一歩進んだ、 その瞬間―――― ……………ぞわぁっ、と 粘り着くような、 『鬼』の気配を感じた。 思わず足が止まり、 ……冷や汗が一気に噴き出した。