「ヤバッ・・・クッ」グっと目をつむり涙をこらえた。

どれくらいそうしていただろう・・・

ふわっと風が吹いた。

まるで彼女の背中を押すように・・・

「あぁ~もぅダメダメ!!これから頑張るんだから!!」

グっと両手を握る。

それから秋樹華の入る桃仙寮に向かってあるきだす。

「あーあんたが由季秋樹華かい?」

「あ?」

話しかけられた先を見るとそこには30代ぐらいの女性が座っていた

「ふっ初対面の人間になんて口の利き方だよ」

「・・・すいません」

「まぁいい私はここ桃仙寮の寮監津田 貴子(つだ よしこ)だ」

「あ・・・申し訳ありません・・・」

「もういいよどうせ誰も敬語なんか使わないからな」

ついてきな。そう言って寮の中に入っていく。

・・・・

「ここが食堂、んであっこが洗濯場、

あそこがまぁ遊戯室だ、あっ今のとこ中庭な・・・・

わかったか?」

「・・・全然」一度にすべての場所を回ったので

一体どこに何があるのか全くわからない

「んーまぁ追々覚えていけばいいさ」

「えっ・・・あっ・・・ハイ」

(絶対めんどくさいんだ・・・)

何事にも適当な寮長であった。

「あそこの角を曲がった105号室がお前の部屋だ・・・それじゃぁ」

気がついたら寮長は消えて

いた。