【短篇】鬼ごっこ

「お願いですから、その物騒なものを手放して下さいよ。」


ショウセイは、凶器を指さす。


孝平には、理性があった。


先に起こった事とは違い、冷静にものを考えて凶器を握っている。


孝平は勢いよくショウセイ向かって走った。


消えろ!!知ってしまったのなら…!!


「…ぅぐっ…。」


「…はぁ…はぁ…っはぁ…」


孝平は壁にもたれずるりと座り込んだ。


動かないショウセイを横目に、手で汗を拭う。


これから…どうしようか…。


そう考えていたときだった。


唸り声がショウセイから聞こえてきた。


「な…っ…」


「痛いじゃないですか。酷いですよ。私、何もしていないのに…。」


ショウセイは何事もなかったかのように立ち、綺麗に微笑んだ。