【短篇】鬼ごっこ

「いつ…。そうですね。貴方が、奥さんを―…。くらいからですかね。」


見知らぬ男は、平然と答えた。


見知らぬ男が、家に上がり込んでいることは普通におかしいことだが、男はそんなことを思いもしなかった。


見られた!!知られた!!


男の頭には、それしかなかった。


「孝平さん。あまり睨まないで下さいよ。私のことはショウセイとお呼び下さい。」


ショウセイと名乗る男は、孝平をなだめるように優しく言った。


しかし、今の孝平にとって優しくされたからどうという問題ではない。


孝平は、再び投げ捨てた凶器を手にとった。


「おや。私、殺されます??」


「み…、見ていたんだろう?」


ショウセイの落ち着きとは、逆に孝平は息が粗く興奮している。


「はい。じっくりと。」

ショウセイは笑顔で答えた。