【短篇】鬼ごっこ

「何を言っても無駄よ。痛かったわ。すごくね。」


妻は、夫にふらりふらり近づいてくる。


「ま…まちこおおお!!」

「ストップ。まだですよ。お気持ちはわかりますが、フライングは、いけません。」


ショウセイが、妻の前に手を出し妻を止める。


「ああ…う…ああ…」


もう…ダメだ…!!


「さあ。逃げて下さい。GAMEが始まりますよ。逃げてくれないとこちらも楽しめませんからね。さあ。さあ。」

ショウセイは、孝平の前に立ち手を差し延べる。

その手は血で濡れている。


孝平はその手を払った。