六畳の自分部屋が
窮屈に感じた。




外に出たい。




全て忘れたい。
ただその一心だった。




慧から貰った腕時計を
つけて、シンプルなワンピースに
コートを羽織って、メイクをして、
ヒールの高いブーツを履いて
再度家を出た。




前に一度だけ、見かけたバー。




人通りの少ないところに
ひっそりと佇むバーは
見た感じは少し古い。




その日、あたしは初めて
バーの扉を開けた。




「 ・・・・っ 」




身長とこの顔立ちのおかげで
見た目は子供には見られない。
案外簡単に入ることができた。