初恋は二年前。
高校に入学してすぐだった。
「 藤咲さん、背高ぇ！ 」
たまたまクラスと委員会が
一緒だった彼、柏木くん。
同じ目線の彼はそう言って
ケラケラと笑っていた。
「 ･･･高くてもいいことないよ 」
苦笑して見せると、
きょとん、とした彼が
不意に顔を近づけてきて、
「 俺はいいと思うけどなぁ･･･
キス、しやすそうだし 」
そう言って、はにかんだ。
男の子にしては小さめな身長、
それに似合う可愛い顔。
よく笑うし、明るいからか
彼はすぐにクラスに溶け込んでいた。
「 ･･･柏木くん、変わってるね？ 」
「 それよく言われる！ 」
柏木慧[ｶｼﾜｷﾞ ｹｲ]。
あたしは彼に惹かれていた。
