───────────グイッ 遠かった慧の足音が 段々近づいてきて、 再度、あたしを抱きしめた。 「 ・・・・ッ・・・け、い・・・ 」 「 離したくねぇ・・・っ 」 首筋に伝う涙は、 あたしのものなのか 慧のものなのか分からない。 痛いくらい強く抱きしめられて 何度も名前を呼んでいた。 「 ッ・・・・・愛してたよ、瑞穂 」 ”今度こそ、さよなら” 腕が離れて行って、 振り向くことなく 慧は走って公園から出て行った。