悠也さんの、特等席。
今彼はいないのに、
どうしてだろう、と
グラスを眺めていると
奏多さんの手が再度
頬に添えられた。
「 余計なこと考えなくていいよ。
飲んで、それで忘れればいい。
俺が連れて帰ってあげるよ?
・・・・・・・・・・・・・俺の家に、ね 」
何を言っているんだろう、この人は。
薄暗い店内のせいか、彼の表情が
やけに妖しく見える。
グイッと上を向かされて、
視線が交わる。
「 ほら、その顔 」
「 ・・・・・えっ 」
グイッと溜まっていた涙を
拭われて、
「 悠也はよくて、俺はだめなんでしょ?
出てるじゃん、答え 」

