君が恋に落ちるまで。





「 ・・・あの・・・? 」




遠回りして着いたバーは
以前来たときと何も変わらない。
前と同じ席に座って、
奏多さんがあたしに水を出した。




「 なに? 」


「 いいんですか?貸しきって・・・ 」


「 いいよ。元々そのつもりだったから 」




”本日、貸切”
そう書いた看板を店の外に出して
ドアを閉めた奏多さんが妖しく笑った。




首を傾げるあたしを見てまた笑って
”飲んで”と水を差し出す。




「 ・・・・っ・・・苦い・・・! 」


「 それ、超強いお酒だからね 」




あまりの苦さに顔を歪めていると
今度は本当の水を出してくれて
グラス一杯に注がれた水を一気に
飲み干して、相変わらず笑顔のままの
奏多さんをキッ、と睨んだ。