「 怒らないんですか・・? 」


「 どうして? 」


「 ・・・どうして、って・・・ 」




嘘をついたことを、
責めないのか、と
言ってしまいそうになる。




悠也さんは優しい。
だけどあたしは、それに
甘えているばかりだ。




「 ”分かっていた”と言えば
  嘘になるけど、なんとなく
  そんな気はしてたんだよ。
  あのバーで会ったときも、
 その後も、ね? 」


「 ・・・・っ、でも・・・ 」


「 それでも、”介抱”だと言って
  家に連れて帰って、手を出したのは
  俺だよ? 」




どうして、




「 最低な男だと思うよ、・・・けど
  後悔はしてない 」




どうして、あたしが悪いのに
悠也さんが自分を責めてるんですか?