「 お茶でいいですか? 」
不思議と焦りはなかった。
きっと、混乱はしている。
だけど彼がこうも穏やかで
いつも通りだとあたしも
自然と落ち着いていられる。
「 じゃあ、水をもらえるかな 」
「 ?・・・いいんですか? 」
「 うん、さっきまで飲んでたから 」
”なるほど”と、コップに水を
注ぎながら頷けば、悠也さんは
小さく笑っていた。
「 ありがとう 」
コップを渡して、あたしは悠也さんの
向かい側に腰を下ろした。
「 瑞穂ちゃんは、いくつ? 」
「 ・・・18歳です 」
「 あぁ、じゃあもうすぐ卒業だね 」
高校生活もあと三ヶ月ほど。
悠也さんは”楽しまなきゃね”と
優しく微笑んだ。

