「 やっぱりキスしやすい 」
体を離して、彼が笑った。
誰も居ない校舎内は静かで
彼の笑い声が響いていた。
「 ・・・からかわないでよ 」
「 からかってなんかねーよ 」
あたしと自分の鞄を持った彼が
振り返って、チュッ、と
触れるだけのキスをされた。
「 ・・・ほらな? 」
「 ~~~~ッしらない! 」
不意打ちのキスに口元を
押えながら顔を背けると
あたしの手を掴んで、彼が歩き出した。
悪戯っ子のような彼は
たまに男らしくなって、
そういうところにまた
惹かれて、
”最初で最後の恋”
そう思えた。
・・・そんなことを思うほどに
あたしは幸せだった。

