だから、笑わないで。



なにを犠牲にしてでも、とは言えない。
リンも杏子も大事なんだ。
俺だけが幸せになるなんて…
そんなことできない。



でも、やっぱり憂がほしい。





俺の頭のなかはグチャグチャだった。






リンも杏子も大切だ。
でも憂がほしい。



このふたつの考えだけが頭のなかをぐるぐると埋め尽くしていた。







俺は浜辺に寝転ぶ。
そろそろ帰らなければ終電がなくなる。
いま帰れば誰とも会うこともなく、部屋へいけるだろう。
それと同時に気が重くなっていく。




家まで気を使う毎日。
母さんも俺とリンの不自然さに気付いているだろう。
憂と別れたことも。



だから尚更会いたくなかった。
寝静まった夜中に帰り、遅刻していくか朝早くに置いてあるおかずを弁当に詰めて家を出る。





正直、体力の限界がきていた。