「ありがとう。」


「え?」


「別に君の前科なんて正直どうでも良かったんだ。ただ、あの子も辛い思いをしているからね…だから、君にこんなことを言ってどういう反応をするのか試させてもらったんだ。でたらめばかりを言って誤魔化すようなやつだったら婚約破棄しようと思っていた。」


「はぁ…」


「でも、君は正直に話してくれた。それに…鈴のことを大切にしてくれている。だから、これと言ったことは何も言わないよ。」


親父さんは笑ってくれた。


「あ、ありがとうございます!!」


「いいや、こちらこそ、ありがとう。」