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私と涼は、一緒にお母さんたちが待つ控え室に戻った。
お姉ちゃんたちは着替えてるのか、部屋にはうちのお母さんと涼の両親の姿があった。
「あら咲、どこ行ってたのよ。涼くんありがとねぇ、探してきてくれて」
「うん…ごめんなさい」
私は素直に謝った。
涼は何もなかったように、テーブルに用意してあったお菓子をつまむ。
なんで…
なんで涼はあんなことして、そんな平気でいられるのよ…
本当生意気なんだから……
私は涼を恨めしそうに睨んだ。
「でも本当良い式だったわね。
由美子さん、良かったわね。早い内に式だけでも出来て」
優兄ちゃんと涼のお母さんが片付けながら言った。
「私はこんな慌しくしなくても、子どもが無事に生まれてからにしたらって言ったんだけどねぇ」
「まぁいいじゃない、本人たちが決めたことなんだから。
次は咲ちゃんの番ね」
「えっ?!わ、私?!」
おばさんがいきなり私に話を振り、私は驚いて声をあげた。
「この子は全然、そういう話ないからねぇ。
涼君、良かったら咲のこともらってやって?」
「ちょ、お母さん!」
「あら、良いわね。
美菜ちゃんだけじゃなく咲ちゃんもお嫁に来てくれるなんて、うちは大歓迎よ。
ねぇ、お父さん」
おばさんがおじさんに同意を求めた。
「何言ってるんだ、涼はまだ高校卒業したばかりだろ」
「あら、でももう結婚出来る年よ?」
「も〜、変なこと言わないでよ」
私は3人の間に割って入った。
そんな、私だってまだついて行けてないのに、結婚とか勝手に進められても……
「涼だってまだ学生なんだし、それどころじゃ…」
「あ〜…俺、そのつもりだから」
私の言葉を、涼が途中で遮った。
お母さんやおばさんが、涼に視線を向ける。
「咲は俺が嫁にもらうよ。ずっと前から、そう決めてるから」
「ちょ、涼!」
涼の発言に、お母さんたちが歓喜の声をあげたのは言うまでもない。
私はこの、生意気な幼馴染をキッと睨んだ。
私の視線に気付くと、涼はふっと微笑む。
そして声を出さずに、こう言った。
“覚悟しとけ”
…きみはまるで、甘いスパイス。
涼の初めてのキスは、とっても優しくて、お砂糖みたいに私の体に溶けていった。
それは、これから始まる刺激的な恋の味。
私たちの、恋の始まり。
-END-

